疑似ライブストリーミングは、VODの再生制御能力に依存し、VODファイルに「視聴時間の制限」と「視聴の進行状況の同期」の2種類のアクセス制御の機能を追加することで、VODファイルにライブストリーミングに似た効果をもたらします。ユーザーはまずVODファイルを生成してから、指定するライブストリーミング時間に、VODファイルを使用してライブストリーミングに類似する配信を行うことができ、ライブストリーミングにおけるリスク低減とコスト削減が効果的に行えるようになっています。
機能特性
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低開発コスト | オンデマンドビデオを標準のライブストリーミングに変換して配信することを選択した場合、ユーザーはOBSを使ってビデオをライブストリーミングプラットフォームにプッシュした上で、ライブストリーミングシステムに接続する必要がありますが、高い開発コストがかかってしまいます。これと比較すると、疑似ライブストリーミングはVOD内部で実現でき、ユーザーはトランスコードしてリンク不正アクセス防止機能を有効にするだけで完了です。 |
不正コンテンツのリスク低減 | 疑似ライブストリーミング機能を使用することで、ユーザーは事前に自分のVODファイルに対する審査と編集を行うことができ、ライブストリーミング中に抵触する可能性があるコンプライアンス違反のリスクを効果的に回避できます。不正なコンテンツを回避し、ライブストリーミングの品質を向上させます。 |
シンプルでフレキシブルな作成 | ライブストリーミングルームという概念はなく、あらゆるビデオでいつでも、疑似ライブストリーミングを生成できます。 同時実行数の制限はなく、開始時刻を指定して、あらかじめ視聴リンクを配布することができます。 |
ユースケース
主にビデオの事前レコーディングが完了していて、予定の時刻にユーザーが同期視聴できるようにスケジューリングするケースに用いられます。ユーザーは事前に視聴エントリーを取得することはできますが、開始予定時刻より前にビデオを視聴することはできません。
疑似ライブストリーミングの進行中は早送りできません。eラーニング、ライブストリーミングのパーティやラジオ・テレビなどの業種でよく用いられます。
ご利用説明
使用制限
疑似ライブストリーミングは本質的にはオンデマンド配信であるため、次のような標準ライブストリーミングの機能は備えていません。
「1回限り」の疑似ライブストリーミングに対するデータ統計はサポートしていません。
「1回限り」の疑似ライブストリーミングの場合、開始と終了を認識できません。
進行中の疑似ライブストリーミングに対する一時停止/終了などの操作はサポートしていません。
配信済みの疑似ライブストリーミングのリンクの無効化はサポートしていません。
ビデオコンテンツの動的な変更(リアルタイムのトランスコーディング、ウォーターマークなど)はサポートしていません。
用語の説明
視聴許可時間の制限:ビデオエントリーは、視聴者に事前配布することができます。視聴者は疑似ライブストリーミングの開始前または終了後に視聴することはできません。疑似ライブストリーミングは、「進行」中のときのみ視聴することができます。
視聴進行状況の同期:疑似ライブストリーミングの「進行」中は、すべての視聴者の視聴進行状況が同期されます(分単位でのずれはあります)。
前提条件
Tencent Cloudアカウントを登録 して、 ログインし、アカウントの実名認証を完了していること。 Tencent Cloud CSSおよびVODサービスがアクティブになっていること。アクティブになっていない場合は、CSSサービス およびVODサービスにてアクティブ化してください。 実践手順
ステップ1:ビデオをVODにアップロードする
1. VODコンソールにログインし、左側ナビゲーションバーのアプリケーション管理をクリックし、アプリケーションリストページに進みます。 2. オーディオビデオを処理したいアプリケーションを見つけ、アプリケーション名をクリックし、アプリケーション管理ページに進みます。
3. デフォルトでメディア資産管理 > オーディオビデオ管理画面に進み、オーディオビデオをアップロードをクリックします。
業務の状況に応じて適した方法を選択し、ビデオファイルをVODにアップロードすることも可能です。その他のアップロード方式は、メディアアップロードの概要およびCSSレコーディングのVODへの変換をご参照ください。 ステップ2:ビデオをHLSにトランスコードする
1. 疑似ライブストリーミングを使用するためにはHLS形式をベースにする必要があります。トランスコードのタスクの開始の説明にしたがって、アップロードしたビデオをHLSにトランスコーディングすることができます(具体的なトランスコードテンプレート は、業務にもとづき選択してください)。 2. トランスコーディングが完了したら、コンソールのオーディオビデオ管理画面で HLSのURLを確認するか、またはイベントの通知を受信する方式でHLSのURLを取得します。 ステップ3:Keyリンク不正アクセス防止をアクティブにする
1. 疑似ライブストリーミングを使用するには、リンク不正アクセス防止を有効にする必要があります。VODコンソールにログインして、左側ナビゲーションバーのアプリケーション管理にてターゲットアプリケーション名をクリックし、配信と再生の設定 > ドメイン名管理を選択し、ターゲットドメイン名がある行の設定をクリックしてください。ドメイン名関連の設定画面に入ります。 2. 「アクセス制御」画面で、Refererリンク不正アクセス防止、Keyリンク不正アクセス防止を有効にします。
3. 有効化すると以下のようになります。その他の選択項目の説明については、リンク不正アクセス防止の設定をご参照ください。設定が完了したら、リンク不正アクセス防止KEYの内容を保存してください。これは以下のリンク不正アクセス防止署名の計算に使用します。 ステップ4:リンク不正アクセス防止署名の計算
署名の計算式
sign = md5(KEY + Dir + t + plive + exper + rlimit + us)
注意:
疑似ライブストリーミングのリンク不正アクセス防止パラメータは、標準のKeyリンク不正アクセス防止よりもパラメータ(plive
)が1つ多くなります。リンク不正アクセス防止の署名を計算するときは、plive
を計算に加える必要があります。 |
| | 開発者がKeyリンク不正アクセス防止をアクティブにするときに選択したキー。 |
| | 元の再生URLのPATHからmyVideo.mp4を除いた残りの部分 |
| | 有効期限タイムスタンプ1517400000を16進数で表した結果。 |
| | 疑似ライブストリーミングの開始時間(北京時間)は、UNIXタイムスタンプの形式で表します。例えば1577808000は、2020-01-01 00:00:00の時点を示しています。 |
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例えば、ある開発者はVODにビデオがあり、そのHLSのURL(元のビデオのURLではない)の再生アドレスは、http://1250000000.vod2.myqcloud.com/vodtranscq125000000/12345678/v.f240.m3u8;
です。この場合、現時点で次のような要件があります。
HLSのURLリンク不正アクセス防止KEYは、11111111
です。
有効期限 t は、5e5a8a80
(2020-03-01 00:00:00)です。
疑似ライブストリーミングの開始時間pliveは、5e344f00
(2020-02-01 00:00:00)です。
プレビュー時間の長さexperは、0
(無制限)です。
視聴IP数の制限rlimitは、0
(無制限)です。
ランダムな文字列usは、test
です。
sign = md5(11111111/vodtranscq125000000/12345678/5e5a8a805e344f0000test) = 0af5018df88c00e6629e0fb8939277dd
2. 計算された署名をHLSのURLのQueryStringにつなげて、最終的に生成されるリンク不正アクセス防止リンクは、次のとおりです。
説明:
リンク不正アクセス防止リンクQueryStringにおけるパラメータの順序は、sign
の計算時と同じである必要があります。すなわち、t-plive-exper-rlimit-us-sign
となります。
開発者がデバッグを実行しやすいように、リンク不正アクセス防止署名発行ツールページを提供しています。ページの内容に応じてパラメータを入力すると、署名計算の中間結果と最終的なリンク不正アクセス防止リンクを表示することができます。 疑似ライブストリーミングの体験
HLS再生をサポートするプレーヤー(例えば、Safariブラウザ、VLC、PotPlayerなど)では、上記のリンク不正アクセス防止リンクにアクセスして、直接体験することができます。
注意:
ChromeブラウザはデフォルトではHLSをサポートしていないため、プラグインをインストールする必要があります。
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