COSとは何ですか。
Tencent Cloud COSはクラウド上で提供する無階層構造の分散型ストレージ製品です。低単価かつスピーディーで信頼性の高いデータストレージソリューションをユーザーにご提供します。COSは冗長化方式により、複数のアベイラビリティーゾーンにユーザーデータを保存し、複数のクライアントまたはアプリケーションスレッドが同時にこれらのデータの読み取りまたは書き込み操作を行うことを許可します。
ユーザーはCVMインスタンスまたはインターネット経由でWeb APIインターフェースを使用することで、データの保存と検索を行うことができます。COS上のデータは、ユーザーが指定ドメイン名のURLアドレスを使用し、HTTP/HTTPSプロトコルによってそれぞれの独立したデータオブジェクトの内容を保存および検索します。
COSとCloud File Storageの違いは何ですか。
Cloud Object Storage(COS):ディレクトリ階層がなく、データフォーマットの制限もなく、任意の数量のデータを保存でき、バケットスペースに容量の上限がなく、パーティション管理も必要ありません。データは高可用性アーキテクチャによるデプロイをサポートし、データの最終的な整合性を保障する設計となっており、ファイルロックなどの特性はサポートしていません。APIはHTTP/HTTPSプロトコルを使用してアクセスし、またSDKやツールなどの方式で業務との統合が可能です。COSにアップロードしたオブジェクトはURLアドレスによって直接アクセスまたはダウンロードできます。 Cloud File Storage:通常のネットワークを使用したファイル転送プロトコルです。ファイルシステムの作成と大規模な拡張が可能で、CVMにマウントして使用する必要があります。Cloud File Storageはウェブサイト、オンラインリリース、アーカイブの各種アプリケーションでの保存が可能です。コンピューティングのスループットが高く、極めて高い可用性と持続性を有するほか、同時実行性のニーズが比較的高いケースまたは共有ストレージが必要なケースにも適しています。 COSとCBSの違いは何ですか。
Cloud Object Storage(COS):ファイルシステム、ディレクトリ構造、ファイル数と容量の上限がないという特性を備え、Web APIインターフェースによってストレージへのアクセスと管理を行う必要があります。SDKやツールなどによる統合が可能で、CVMに依存せず単独で使用できます。COSは大規模データへのアクセスをサポートしますが、ミリ秒レベルのレスポンスやランダムリード/ライトのケースには適しません。 Cloud Block Storage(CBS):CVMと組み合わせる必要があり、ファイルシステムを使用してパーティションまたはフォーマット化を行ってからでなければマウントして使用することができません。CBSはタイプごとに、様々なパフォーマンス指標に対応可能な、 IOPSとスループット性能の異なる製品を提供しており、スタンドアローンで使用する様々なケースに適応します。 パブリック読み取り権限が設定されたファイルのアクセスリンクが失効する場合があるのはなぜですか。
アクセス先が臨時署名のあるアクセスリンクであった場合、臨時署名が期限切れになると、そのアクセスリンクは失効します(ファイルがパブリック読み取りかどうかは関係ありません)。
第三者がお客様のパブリック読み取りファイルに直接アクセスできるようにしたい場合は、署名のないアクセスリンクをそのまま使用することをお勧めします。COSコンソールのオブジェクト詳細ページから署名のないアクセスリンク(すなわちオブジェクトアドレス)を取得することができます。 COSの「フォルダ」または「ディレクトリ」はどのように理解すればよいですか。
COSにはフォルダやディレクトリの概念はありませんが、各ユーザーの使用上の習慣に配慮し、従来のファイル管理のディレクトリ構造を参考にし、コンソールにおけるCOSBrowserツールなどの視覚化インターフェース上で、「フォルダ」を模した表示方法をとっています。詳細については、フォルダとディレクトリのドキュメントをご参照ください。 COSファイルは削除後に復元できますか。
COSのデータ冗長化ストレージメカニズムは、サーバーなどのハードウェアに障害が発生した場合にデータを復元する必要があるケースに対応するよう設計されています。バージョン管理機能を有効にしていない状況で、COSのデータを自主的に手動で削除したり、削除するように設定したりした場合は、Tencent Cloudがその指示に従って削除したデータは復元できません。
自主的に削除するケースには次のものがあります。
COSコンソールで単一ファイルの削除、ファイルの一括削除、フラグメントまたはバケットのクリーンアップを行った場合。
COSCMD、COSBrowserなどのCOSツールでファイルを削除した場合 。
COS APIまたはSDKでファイルを削除した場合。
COSライフサイクル管理機能によってファイルが定期的に削除された場合。
COSの地域間コピーの全量同期機能によって、異なるリージョンのバケット間の新規追加、変更、削除操作が同期されたことで、ターゲットバケット内の同名のファイルが上書き、削除された場合。
誤って削除することを防ぐにはどうすればよいですか。
バケットのファイルに対し、定期的にバックアップ操作を行います。
COSCMDツールを使用して、COS内のオブジェクトをローカルまたはサードパーティのサーバーにダウンロードします。 COS API、SDKを定期的に使用し、データをCOSの他のバケットにバックアップします。
バージョン管理を使用して過去のバージョンのデータを保存します。
読み取りと書き込みの権限を分離し、データの読み取りのみが必要な業務については、読み取り権限のみを持つサブアカウントまたは一時キーを使用してアクセスします。
バケット(Bucket)の権限を分離し、異なる業務ごとに、対応する業務の範囲内のバケット、ディレクトリおよび操作権限のみを承認します。
ルートアカウントを使用せずにCOSにアクセスします。
一時キーを使用してCOSにアクセスします。
Tencent Cloudアカウントパスワード、CAMサブアカウントアクセス認証情報、Tencent Cloud APIキーなどの、データアクセスの認証情報を適切に保管します。
COSはデータ統計機能をサポートしていますか。
COSはストレージデータの監視機能を提供しており、ユーザーはデータ監視ウィンドウを通じて各データの状況および傾向を把握できます。全ディスクのデータ傾向を確認したい場合は、COSコンソールの概要ページで、ストレージタイプの次元ごとに、ストレージ量、リクエスト数、トラフィックなどのデータを確認できます。
単一のバケットのデータ統計状況を確認したい場合は、監視レポートの照会をご参照ください。 このほかに、Tencent CloudのBCMページで各バケットの監視情報を確認し、業務ニーズに応じて異なるアラートポリシーを設定することもできます。 COSは画像処理、画像圧縮、サムネイル、ビデオファイルトランスコーディングなどの機能をサポートしていますか。
COSコンソールはCloud Infiniteを統合しており、画像処理、画像圧縮、サムネイル、ビデオファイルトランスコーディングなどのデータ処理機能を実現できます。詳細については、データ処理のドキュメントをご参照ください。 COSはどのような形式のオーディオビデオファイルの処理をサポートしていますか。
COSサービスは非構造化データ向けの分散型ストレージサービスであり、サービス自体はオーディオビデオファイルの処理をサポートしていません。mp4、avi、ts、hls、mp3、aacなどのリッチメディアファイルの処理については、Cloud Infinite(CI)をご参照ください。 COSはファイルのアップロード後の自動解凍をサポートしていますか。
COSサービスは非構造化データ向けの分散型ストレージサービスであり、サービス自体はファイル解凍をサポートしていませんが、SCFサービスと組み合わせることで解凍機能を実現できます。詳細については、ファイル解凍設定をご参照ください。 COSにはどのような仕様と制限がありますか。
詳細については、仕様と制限のドキュメントをご参照ください。 バケットとは何ですか。
バケット(Bucket)とはオブジェクトのキャリアであり、オブジェクトを入れておくための「容器」と理解することができます。ユーザーはTencent Cloudコンソール、API、SDKなどの複数の方式によってバケットを管理し、属性を設定することができます。例えば、バケットを静的ウェブサイトのホスティング用に設定することや、バケットのアクセス権限設定などを行うことができます。その他の詳細については、バケット概要をご参照ください。 バケットを作成する際、バケット名の長さについてはどのような制限がありますか。
COSコンソールは2021年9月にバージョンアップを行い、バケット名の長さ制限ポリシーを再調整しました。新しい制限ポリシーでは、バケット名の最大文字数はリージョンの略称およびAPPIDの文字数の影響により、組み合わせたリクエストドメイン名全体の文字数合計が最大60文字までとなります。ユーザーがすでに作成している長いバケット名が業務に影響することはありませんので、調整は不要です。特別な事情によりドメイン名の長さを拡張したい場合は、お問い合わせください。 エラーコード情報を監視するにはどうすればよいですか。
COSの可用性はどのように計算しますか。
COSは次のような可用性計算の例を、参考までにご提供しています。
明さんはTencent Cloud COSサービスを使用してEC業務に従事しています。2018年11月1日から11月30日のサービス月度内にサービス料金として計100米ドルを消費し、なおかつこのサービス月度内に2回の利用不可の状況が発生したとします。2回の利用不可状況の記録は下表のとおりです。
|
1
| 15分間 | 2018年11月15日10:00~10:05 | 503 | 100 | 100 |
|
| 2018年11月15日10:05~10:10 | 503 | 99 | 100 |
|
| 2018年11月15日10:10~10:15 | 503 | 98 | 100 |
2
| 15分間 | 2018年11月20日16:00 - 16:05 | 500 | 150 | 150 |
|
| 2018年11月20日16:05~16:10 | 500 | 148 | 150 |
|
| 2018年11月20日16:10~16:15 | 500 | 140 | 150 |
その他の時間帯では、明さんのリクエストにはすべてリクエスト成功を示すステータスコード200が返されました。
この場合、このサービス月度全体の可用性は次のようになります。
(1)当月の各5分間のエラー率数値を計算する
事例の詳細によると、明さんの業務は正常な場合、各5分間のエラー率はすべて0%です。
利用不可イベント1:持続時間は2018年11月15日10:00~10:15であり、各5分間のエラー率はそれぞれ次のとおりでした。
10:00~10:05の間のエラー率の計算:100 / 100 * 100% = 100%
10:05~10:10の間のエラー率の計算:99 / 100 * 100% = 99%
10:10~10:15の間のエラー率の計算:98 / 100 * 100% = 98%
利用不可イベント2:持続時間は2018年11月20日16:00~16:15であり、各5分間のエラー率はそれぞれ次のとおりでした。
16:00~16:05の間のエラー率の計算:150 / 150 * 100% = 100%
16:05~16:10の間のエラー率の計算:148 / 150 * 100% = 98.67%
16:10~16:15の間のエラー率の計算:140 / 150 * 100% = 93.33%
(2)当該サービス月度のサービス可用性を計算する
この事例において、
サービス月度の全体時間:30日 * 24時間/日 * 60分/時間 = 43200分
サービス月度内の5分間の総数:43200分 / 5分 = 8640
サービス月度内の利用不可だった5分間の総数:(15 + 15)分 / 5分 = 6
サービス月度内の5分間エラー率の和:(100% + 99% + 98% + 100% + 98.67% + 93.33%) + (8640 - 6) * 0% = 589%
この月のサービス可用性:(1 - 589% / 8640) * 100% = 99.93%
(3)賠償項目の計算
この事例ではサービス可用性は99.93%であり、99.95%の可用性基準より低く、99.9%より高いです。賠償基準に基づき、Tencent Cloud COSサービスはユーザーに対し、月間サービス料総額の20%、すなわち20米ドルを賠償する必要があります。
明さんがサービス月度終了後六十(60)自然日以内、すなわち2019年1月29日までにチケットを提出して賠償申請を行えば、Tencent Cloudはクーポン配付の形で、明さんの損失に応じた賠償を行います。
COSを利用停止または課金を停止するにはどうすればよいですか。
COSは現時点ではワンクリック停止をサポートしておらず、以下の方式によってCOSを利用停止または課金を停止します。
1. 今後COSサービスを利用しない場合は、COS内の全データ(アップロード未完了のファイルフラグメント、過去のバージョンのオブジェクトなどを含む)を完全に削除することで、それ以上課金されないようにすることが可能です。アカウントを抹消する必要はありません(他のTencent Cloudサービスをご利用の場合、アカウントを抹消すると影響が生じます)。データを削除する操作ガイドについては、支払い延滞の説明をご参照ください。 2. 長時間(1か月を超える)COSサービスを使用しない場合、ライフサイクルルールを設定してバケット内の標準ストレージタイプのデータを、低頻度ストレージ、アーカイブストレージまたはディープアーカイブストレージなどのコールド化されたストレージタイプに変換することができます。このようにしてストレージ容量料金を節約することができます。詳細については、ライフサイクルの設定をご参照ください。ストレージタイプの変換には、元のストレージタイプの読み取りリクエストおよびターゲットのストレージタイプの書き込みリクエストが発生します。そのため、ライフサイクルによってストレージタイプを変換すると、読み書きリクエスト料金が発生します。リクエスト課金説明についてはリクエスト料金をご参照ください。 注意事項
バケット内のデータが完全に削除されると復元できません。適時にデータのバックアップを行ってください。
バケットのバージョン管理機能を有効化している場合、バージョン管理機能を一時的に停止し、もう一度削除操作を実行してください。
料金の決済周期に注意し、アカウントに支払い延滞が発生しないようにしてください。課金項目がいずれも日次決済であれば、クリーンアップ当日の請求書はクリーンアップの翌日に生成されます。データの完全なクリーンアップが完了すると、システムに新たな料金は発生しません。詳細については、課金周期をご参照ください。 アカウント残高不足により支払い遅延が発生した(アカウント残高が0未満となった)場合、リソースパックの有効期間中かどうかにかかわらず、COSは支払い遅延発生から24時間後にサービスを停止します。
アカウントが無料利用枠を利用している場合、支払い遅延によるサービス停止後は、このリソースパックは利用できなくなります。
バケット内のデータが関連する規定に違反し、このデータが二次ロックに属する場合、削除できません。ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
この記事はお役に立ちましたか?